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い草産地レポート〜いぐさを訪ねて〜

2009熊本編 (2009年10月訪問)


(1)品評会

平成21年10月18日、今年も、畳表日本一の生産地で開催される「第35回熊本県い業大会(い草・い製品品評会)」にお邪魔しました。原草(畳表になる前のい草)部門と、畳表部門があります。


それぞれの部門で入賞したものが、展示されています。まさに、日本で最高のものが揃っていますので、大変勉強になります。また、今年のい草の全体的な作柄や、特徴がわかるので、仕入れのときの基礎知識になります。


展示された作品を見ていると、いろいろな方が話しかけてくれます。こういう会話や出会いが、品評会のいいところで、更に勉強になります。


品評会に来ている方々は、皆さん畳に対する意識が高く、何気ない会話の中にも「なるほど!」と感心することも多いです。また、産地の現状を生の声で聞くことができるので、理解も深まります。


同時に開催される「い草まつり」では、表彰式が行われます。受賞者の中には、前にもご紹介した方の顔が目に入ります。


入賞者の方々です。真ん中は、畳表の部「農林水産大臣賞」(日本一)を受賞された、松本吉弘さん。右が、原草の部「農林水産大臣賞」を受賞された、溝口忍さんです。


もちろん日本一の畳表を仕入れさせていただきました。
左)松本吉弘さんの畳表は12畳。 右)福本啓治さんの畳表は8畳。


い草まつりのイベントでは、女性だけの相撲大会「女相撲大会」が行われました。熊本の女性は強いです!



(2)市場

二日目の午前中は、市場の見学をさせていただきました。入札にかけられる畳表が集まっています。ここでも人との出会いがあり、いろいろなことを話してくれました。現場の声が一番勉強になります。


生産者の方々が、自分で育て織り上げた畳表を次々と運んできます。品評会でお会いした方の顔もちらほらと見えます。


ここで厳重なチェックを受けて、全国の皆様のところへ届けられます。国産畳の証となるハンコとラベルが押されます。悲しいことに、多くの偽造品が世の中に出回っているのも事実です。


畳表のプロ達の言葉はとても重く、大変勉強になりました。まだまだ奥が深いと感じました。



(3)生産者たち

午後からは生産者の方にお邪魔しました。今年「全国い生産団体連合会会長賞」を受賞された、石橋幸浩さんです。温厚な人柄で、丁寧に畳表の説明をしていただきました。もちろん仕入れさせていただきました。


おなじみの小嶋新吾さんです。今は選別の作業をされていました。また、これからの話もすることができました。仕事人の少ない言葉の中に、伝わってくるものがありました。


岩井静雄さんです。3年前からお世話になっている方で、山形にも来ていただいたことがあります。いつもにこやかで、面倒を見てくれます。


岩井さんのところで、今年植える苗を見せていただきました。しっかりとした苗が育っています。いろいろとご指導をいただきました。


株の分岐で新しい芽が出てきています。12月に植え付けをするのですが、その作業も体験する約束をしました。植え付けの練習?真似事をしてみました。大変きつい仕事だと聞き、また燃えてきました。また、他の田んぼですが、枯れている苗が目に付きます。今年は枯れが多いそうで、い草作りの難しいところですね。生き物相手なので、愛情込めて、手をかけて丁寧に育てるそうです。



(4)い草のルーツを訪ねて

今回の目的の一つである“熊本い草のルーツ”をたどるため、千丁町の公民館で古い資料を出していただいて、いろいろと調べました。本やビデオテープ(ベータ版もありました)がたくさん出てきました。わからないところは、年配の方に聞き込みをしてみました。


熊本でい草の栽培を最初に始めたのは岩崎主馬忠久公で、「猫谷」という場所の川沿いに自生していたい草を持ち帰り、栽培したのが起源となっています。今から約500年ほど前のことです。山奥の狭い山道を更に奥に入り、道が終わり車を降りて歩くことに。集落の方たちに聞きながら、途中から犬が道案内をしてくれ、やっとたどり着きました。この辺が猫谷で、この辺から持っていったのではないか?と言うところです。自分も探してみようと、野原をさまようこと2時間。辺りは真っ暗でしたが、なんとかい草らしきものを発見!!歴史に想いをはせる、とても感慨深い体験でした。



(5)生産者との交流

品評会を終えた夜、地区ごとの懇親会に参加させていただきました。い草の刈り取りでお世話になった、橋口さんと再会し話をさせていただきました。普段は口数の少ない方たちも、いろいろと話してくれたので、皆さんの想いが伝わってきたとても良い時間でした。人との交流が一番大事なことだと感じました。


2010年1月12日 鏡 芳昭


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